証券・通貨オプション判決(裁判)


(1)本件取引は、3ヶ月ごとに20回、5年間にわたって10万豪ドル分のコールオプションを原告が証券会社から買い、30万豪ドル分のプットオプションを原告が証券会社に売るというものである。一定以上に原告が利益を得るような豪ドルレートになればこの契約は消滅し、原告に不利なレートになるとこの契約は最後まで続く。しかも、不利な場合は30万豪ドルと、利益が出る場合の3倍以上、損失が発生する。
(2)証券会社の通貨オプションを行うと、プットオプションで損失が出た場合のために多額の担保(1億円)の差し入れを求められるところ、豪ドル安が進むと、追加担保の差し入れが必要となる。その額は、そのレートのまま最後まで行った場合に出る損失を超えた金額となり、豪ドル安が進むと連日のように何百万円、何千万円と求められ、その後、豪ドルの値段が少し元に戻っても返還されるようなことはない。
(3)それらのことについて、追加担保の危険性の説明がなかったことに説明義務違反の違法性があるとして、損害賠償が認められたものである。
(4)通貨オプション取引は、毎月決済期がくるオプションを大量に取得するものであるが、輸入業者など、必ず決済する予定のある者でなければ、途中で撤退できないような形でのオプションの取得などあり得ないはずなのに、通貨の実需など全くない投資家に大量のオプションを取得させて、どんなに不利な状況が生じても最後までオプションを決済させないで最後まで持たせ、さらに追加担保まで大量に出させるような取引を、外貨の実需のない者に契約させること自体、違法であることは明らかだと思われる。

(交付資料も参照してください)

 

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