証券・頻繁不当売買判決(裁判)


 

原告の証券取引に関する知識や理解を前提にすれば、同一の新興国通貨に本件口座の半分以上を投資すること及びそのリスクの大きさについては説明すべきであった、などとした上で、野村證券の担当者が、訪問時に一応一通りの説明はしたと認められるとしつつも、電話での説明内容も踏まえて検討すると、原告が為替リスクの程度を十分に理解して判断できるだけの説明になっていたとは言いがたく、逆に為替リスクを低く見積もらせるような説明だったと言わざるをえない、などとして、説明義務違反を認めて、不法行為を認定した判決。

投資家がよく理解できていないことにつけこんで、実は非常に危険な証券を、その危険性を隠蔽して大量に購入させるやり方は、仕組債の販売にも共通する、明らかな違法行為です。

 

投資経験の浅い投資家に対して、長期間保有していた株式(長年勤めた会社の社員持ち株会で持っていた勤務先会社の株式)を売らせ、その後、その資金で極めて頻繁な売買をさせた取引について、各勧誘の根拠等を検討した結果、合理性が認められないとして、適合性原則に反する等、不当な取引を勧誘しない義務に反した、などとして、不法行為を認めた判決。

 手数料稼ぎ取引は証券会社が顧客の利益ではなく自らの利益をはかったもので、いわば背任行為であって、決して許されないものだと思います。



 山一証券の担当者が顧客に仕手株の購入を勧めた。但し、今すぐ大量の株を信用取引で買うには今の取引中の証券会社で買うことを勧め、そこで大きく儲けて山一証券に資金を持ってきてほしい、と言っていた件で、実質的には山一証券の勧誘行為であるとして、同社の不法行為を認めたもの。地裁では自社で買うように勧めたものではないとして、不法行為を認めていなかったもので、被害者による高裁の逆転勝訴判決となったものである。

 

 これらの投資被害について、ぜひ、弁護士に相談してください。